名古屋・東海地域を基盤に活動するセクシュアルマイノリティ支援団体であるPROUD LIFEは、2011年に誕生しました。当時は、LGBTQのための公的な支援事業はほとんどなく、名古屋ではプライドパレードも行われていませんでした。
そんな中、わずかなボランティアメンバーで、「レインボーホットライン」という小さな電話相談事業をはじめたのが、私たちの支援活動の第一歩でした。
その後、現在のパレードの前身となる「虹色どまんなかパレード」を立ち上げ、LGBTへの社会的な注目も高まりました。また、国や地方自治体と協働して実施する相談事業が少しずつひろがり、私たちの支援活動を草の根で担う相談員も育ってきました。
しかし、性の多様性についての理解がある程度すすんだいまでも、社会の偏見やジェンダーの制約がなくなったわけではありません。社会の課題が複雑化するなかで、複合的な課題をかかえ苦しんでいるセクシュアル・マイノリティも数多くいます。多様性を尊重する流れに抵抗する動きも看過できません。私たちの生きづらさは、いまも続いています。
いま必要なことは、私たちの支援の網の目をさらに大きくひろげ、強固なものにしていくこと、そして、行政と協働し他の社会的運動と連帯していくていくことです。多様性が尊重され、誰もが自分らしく輝ける社会をめざして、これからも歩みを続けていきます。
特定非営利活動法人 PROUD LIFE
代表理事 安間優希
安間優希 Yuki Anma
略 歴
1969年生まれ
精神保健福祉士
思春期より性別への違和感を持ち続けてきたが、2008年、トランスジェンダーであることをカミングアウトし、トランス女性として生活を送り始める。2011年、セクシュアル・マイノリティを支援するNPO「PROUD LIFE」を設立(2012年法人化)し、代表理事に就任。電話相談事業等に取り組む他、東海地域初のLGBTパレード「虹色どまんなかパレード」を開催する。2011年4月から2013年3月まで名古屋市男女平等参画審議会委員。名古屋市立大学非常勤講師(2012年~2015年、2019年)、三重大学非常勤講師(2015年~2022年)を始め、自治体職員、教職員向けの研修会、対人援助職むけの専門研修会、中高生や一般市民への講演・啓発活動に取り組む。2021年より一般社団法人LGBT法連合会理事。2023年、全国のLGBTQ支援団体とともに一般社団法人SOGIE相談・社会福祉全国協議会を設立し、専務理事に。全国的なLGBTQ相談事業「つながる🌈にじいろONライン」等の運営を担う。