【活動報告】宙色@Iデンティティ~若年女性のための常設的居場所提供とアウトリーチ事業

この度、「赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成 第10回」の助成による活動「若年女性のための常設的居場所提供とアウトリーチ事業」を実施しましたので、ここにご報告いたします。

助成金で行った活動の概要と成果

私たち特定非営利活動法人PROUD LIFEは、LGBTQの支援活動を主な目的として行っている団体ですが、「LGBTQ専門相談」という枠組みに限定せず、幅広い間口で、さまざまな生き辛さとセクシュアリティとの「交差性」に着目した若年女性の支援事業として「宙色@Iデンティティ」事業を、「赤い羽根 居場所を失った人への緊急活動応援助成第8回」の助成により開始しました。第8回では、主にSNS相談とアウトリーチを中心とした活動でしたが、今回の第10回助成の事業では、リアルに開設する常設的居場所とアウトリーチを中心とした事業に発展させることができました。

具体的な活動としては、常設の居場所「宙色プラネット」で、ご飯を一緒に食べることを中心にしながら、生活のこと、家族のことなど、様々な話題や悩みについて話すことができる居場所を提供しました。食事を楽しみに来てくれる人や、来所者同士で交流することを目的に来てくれる人もいて、温かい食事を提供しながら交流するよさが実感できる活動となりました。

また、アウトリート活動については、活動前半には、繁華街や深夜の公園などで、気になる女の子たちに声掛けを行う夜間パトロールを行いました。学校や家庭に居場所がない女の子たちは、居場所を見つけに夜の街に出てきます。しかし、こうした夜間の「居場所」さえ見つけることができない女の子たちも多くいることをふまえ、活動後半には、メタバース空間を活用したバーチャル居場所をつくり、SNS登録者に参加をよびかけるデジタルアウトリートの活動も行いました。

バーチャル居場所メタバースでは、リアルの「宙色プラネット」と並行したメタバース版の「宙色プラネット」を実施しました。チャット相談の登録者に告知するなどを通じて、対面の居場所に来ることが難しい人も参加できる居場所をつくりました。

事業を実施する中で見えてきた課題と今後の取り組み

これまで私たちは、電話やSNSを通じた相談事業をメインとして実施してきました。こうした相談事業では、匿名でできるなどの手軽さもありますが、本事業の実施を通じて、「そこに行けば、会える」というリアルの常設的な居場所があることの重要性を実感しました。

また、本事業のコンセプトの一つとして、セクシュアリティについての悩みを抱えつつも、それを受容していない、あるいは否定している人など、「LGBTQ専門相談」という看板では相談しづらいと考える層へアプローチする試みの一つとして実施しました。この取り組みの意義をふまえつつ、常設的居場所づくりやメタバース居場所の取り組みの経験を、当法人が主として取り組んできたLGBTQ支援の中でも生かしていくことが重要だと考えています。

そこで、今後の活動としては、宙色プラネットの取り組みを発展させ、新たな常設コミュニティスペース事業につなげいくことになりました。「宙色@Iデンティティ」の事業自体は、2025年12月をもって区切りとなりますが、本助成金によって実施した取り組みが、私たちにとって、さらなる挑戦となる常設コミュニティスペースづくりに発展・継承されていくことは、大変意義深いことだと考えています。

今回、「赤い羽根 ポスト・コロナ社会に向けた福祉活動応援キャンペーン 居場所を失った人への緊急活動応援助成」を2年にわたって受けることができ、それまでの私たちの活動を大きく発展させていくきっかけとなったことは、大変貴重な機会となりました。ご寄付をくださいましたみなさまに多大なる感謝を申し上げます。ありがとうございました。